祇園大神(ぎおんのおおかみ)とは、当社四十柱神社(よそはしらじんじゃ)の御祭神で、素戔嗚尊(すさのおのみこと)の事です。
素戔嗚尊(すさのおのみこと)は『古事記』によると、黄泉の国より戻られ、禊をされたイザナギノ大神の鼻からお生まれになったという事です。『日本書紀』では、イザナギ・イザナミ両神の神生みの際にお生まれになられたという事です。
どちらもアマテラス大御神、ツクヨミノ大神と同時であり、併せて三貴子と言われます。
神話世界において、素戔嗚尊は良くも悪くも主役と言って良いほどの御活躍をされます。
はじめ高天原では悪行の限りを尽くし、アマテラス大御神の岩戸籠もりの原因をつくり、やがて天界を追放されます。しかし、出雲に降り立ってからは、ヤマタノオロチを退治したり、植林をするなど国土経営をもされ、英雄神となられます。
素戔嗚尊の神話は激しさを伴うものがほとんどです。そもそもそのお名前の「スサ」も荒(すさ)ぶなどの「スサ」から由来するとされ、一説、嵐の神であるとも言われます。
神仏習合の時代、素戔嗚尊は牛頭天王(ごずてんのう)とも言われました。
牛頭天王は、インドの祇園精舎の守護神と中国陰陽道とが習合した神が、わが国でさらに素戔嗚尊と習合した神格とされています。
そしてその牛頭天王・素戔嗚尊をお祀りする八坂神社は「祇園社」という名称でした。
当社では現在でも素戔嗚尊を、祇園社のお神様であることから「祇園大神」とお呼び申し上げ、四十柱神社(細男舞・神相撲の神々をお祀りしている神社。別名、古表大明神)の御主神としてお祀りしています。
神相撲において、祇園大神は東方最後11番目の力士として登場され、西方住吉大神と対戦されます。
祇園大神のお姿はとても大きく、住吉大神の倍の体格を誇ります。
住吉大神との東西横綱格同士の勝負はなかなか決着がつかず、神相撲上最長の5分間の相撲となります。
祇園大神は住吉大神の蹴りを伴う猛攻をよく凌ぎますが、最後は「引き倒し」で敗れてしまいます。しかし、その力強いお姿は深く印象に残ります。
祇園大神・素戔嗚尊は日本神話の主役であり、また、当社神相撲においても、住吉大神と並ぶ一方の主役でいらっしゃいます。さらに、全国各地の祇園祭の御祭神であり、偉大な力を持つ神様、祓いの霊験あらたかなお神様として広く信仰されています。